ローソク足の基礎知識

株価分析の種類

株式投資を含めFXでも先物取引でも、なんの脈略もなく「ただなんとなく儲かりそうだから・・・」と売買したところで儲かりません。株式投資で儲けるためには、株を買うための判断基準と、売るための判断基準、さらには途中の維持管理における判断基準は絶対に持っておかなくてはいけません。

その判断基準となる株価分析の方法には主に2つのやり方があります。ファンダメンタル分析テクニカル分析です。

ある学者によると、アメリカの場合、景気と株価に関係があったと思われるケースは51%。あまり関係がなかったとする部分は49%とされています。日本の場合でも、59%が関係あり、41%は関係があまりなかったという調査が出されています。つまり、景気や企業業績の研究をすることは重要なことであるけども、およそ半数近くは関係性に欠けるということを意味しています。

株価はその時々の様々な材料や市場心理を織り込みながら上下していますが、結果としてそれら一切合切を織り込んでいる株式チャートには典型的な売りや買いのパターンが多く存在します。

これらの売り買いのパターンは、言わば相場変動のクセであり、株式チャートに映し出された昔も今も変わることのない投資家心理を映し出すものであるということです。

この株式チャートのクセを読み解くことで、ファンダメンタル分析では理由がつかない部分を補完し、投資利益の向上に役立てていこうというのがテクニカル分析の意味するところです。

ローソク足の基礎知識

ローソク足の基礎知識では、株を売り買いするための判断基準の一つであるテクニカルチャート分析のうち、その基本中の基本となるローソク足に主に焦点をあてながら相場での癖、つまり、投資家の心理的な動きを読み解くにあたりなぜそのような値動きになったかを考えていきます。

単体の足・・・、例えば実体が長い大陽線が出たとしたら、好決算発表があったとか、新商品の発表、新製品の開発など市場参加者の心理が好転するような出来事があったことが考えられます。市場参加者としては、株を買うためのキッカケが欲しいので、好材料に反応したことの軌跡がローソク足として表現されることになります。

大陽線事例3436SUMCO(日足)
6.7%の大陽線の出現で流れが変わった事例

ローソク足の組み合わせから成り立つ二本足(二本線)や古くから伝わる酒田五法などを用い、市場の方向性を見出したり買いのポイント、売りのポイントなどローソク足の読み方を考察します。

ローソク足は、市場参加者の心理が表現されている大事な指標です。もちろん、ローソク足分析が全てではありません。「だまし」といわれる判断違いも多く存在します。「だまし」の出現、さまざまに派生した株価のテクニカル分析とローソク足との組み合わせ。それぞれの投資家のリスク許容度や資金量、目指すリターンなどを踏まえながら、儲けるための投資判断基準を示していき、株式市場という大海原を航海するための羅針盤として個人投資家の皆様のお役に立てれば幸いと思っています。

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売買は「儲けたいという強欲心理」と「損を出したくないという恐怖心理」など感情を持った人間がやるもの。つまり、株式相場は買い方と売り方の心理戦なのです。

チャートから人間心理を読み解く事は、合理的で適正な判断や選択を可能にし、売買行動の明確な基準にすることができ、圧倒的に有利な売買が可能になるのです。

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ローソク足の読み方_市場参加者の心理の移り変わりを読む

心理の移り変わりを読む

始値、高値、安値、終値の4本値を使って株価の動きを一本の足に正確に表わしたものを、ローソクの形に似ている事からローソク足と呼びます。始値、高値、安値、終値の4つの値段の組み合わせで、いろいろな型ができます。享保の時代、大阪、堂島の米相場で用いられたのが始まりとされ、近年においては、わかりやすさから海外でも認められ、以後キャンドル・チャートとも呼ばれるようになっています。

このローソク足の読み方は、売り手と買い手の勢力関係、マーケットに存在する建て玉(たてぎょく)、ポジションの需給バランス、材料出現後の相場の反応度合いなどが凝縮されるのみならず、投資家心理の心の移り変わりを最も端的に表現するのがローソク足です。

ローソク足は一定期間の値動きを表しローソク足の読み方を知ることで投資判断基準の一つとして用いることができるようになります。

ローソク足の成り立ち

日足(ひあし)の場合、一日のうちの始値(はじめね)・高値(たかね)・安値(やすね)・終値(おわりね)を目盛り上にとり、ヒゲや胴体(実体)の形に表わします。


始値(はじめね)
その日の最初に成立した取引の値段。寄り値、寄り付き。取引開始の午前9時についた値段というわけではありません。売り買いの注文の状況によっては値段がつかない事もあります。


高値(たかね)
その日に取引された内で最も高い値段。ローソク足では常に一番上に表現されます。


安値(やすね)
その日に取引された内で最も安い値段。ローソク足では常に一番下に表現されます。


終値(おわりね)
その日の最後に成立した取引の値段。引け値、大引け。取引終了の午後3時についた値段というわけではありません。注文が極端に少なければ、始値=終値ということもあります。引け間際に注文が殺到すると3時を過ぎて成立する事もあります。



陽線(ようせん)
終値 > 始値のローソク足。(白抜きになります)この陽線が連続的に出るときは、相場は上昇傾向にあると判断できます。


陰線(いんせん)
終値 < 始値のローソク足。(塗りつぶしで表わします)この陰線が連続する場合は、相場は下落傾向にあると判断できます。

ローソク足は期間(時系列)を一本のローソクで表わした非常にすぐれた表記法です。ローソク足の見方としては、一日の4本値(始値、終値、高値、安値)で表わした日足(ひあし)、5分ごとの5分足や、一週間ごとの週足、月ごとの月足、年ごとの年足などで表現されます。

- 次の記事を読むことで売買戦略の重要性がわかります -

一本のローソク足が表わす株価の動き


日足(ひあし)
一日の寄付(始値)より引値(終値)が高い場合には、その間の実体(胴体)部分が白抜きで表わされます。逆に安い場合には、実体(胴体)を黒く塗りつぶして表現されます。そして、この実体(胴体)に安値と高値の線を引き結んだものが日足(ひあし)というローソク足となります。


週足(しゅうあし)
一週間の時系列をローソク足で表わしたもので、引き方は日足と同じ。週初めの月曜日の寄付と、週末の金曜日の終値を実体で表現します。そして、週中での安値と、高値を実線で結ぶと週足のローソク足が表現できます。日足でみる相場の方向性(トレンド)に迷いが生じるようなときは、週足を見ることでやや中期的な方向性を読み解くとこもできます。

月足(つきあし)

一ヶ月の時系列をローソク足で表わしたもの。月初めの寄付、月終わりの終値、月中の安値、高値で表現されます。長期的な相場の方向性を確認するために利用する指標の一つです。

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大陽線

 
相場がすごく強い事を表わすローソク足です。概ね株価の5%程度以上の実体(胴体)をともなった陽線を大陽線と呼びます

買いの勢い >> 売りの勢い

と表すことができ積極的に買う動きが出ることと、ホルダーの売りが消極的であることから大陽線が現れる。ローソク足の実体の長さは株価の勢い(エネルギー)を表しますので、勢いがあることを意味します。

実体(胴体)の大きい白抜きのローソク足になり、ヒゲの有無や長さなどにより意味合いが微妙に変わります。株式相場の場合、株価の10%程度であれば上昇期待は高まります。ヒゲの付き方によって、「陽の丸坊主、陽の寄付坊主、陽の大引け坊主」などがあり、それぞれ意味合いが異なってきます。

大陽線事例 8729SONYFH(日足)

積極的に買われたことで、翌日は大陽線の安値を割る可能性は小さいと言えます。翌日大陽線の安値を割り込むことになると、反転下落を疑ってかかる必要が出てきます。

大陰線

相場が強い先安感であることを表わすローソク足です。寄付から大きく下落した事を示し、極めて弱気のサインとなります。概ね株価の5%程度以上の実体(胴体)をともなった陰線を大陰線と呼びます。ローソク足の実体の長さは株価の勢い(エネルギー)を表します。

 
買いの勢い << 売りの勢い

と表すことができます。
ヒゲの付き方によって、陰の丸坊主、陰の寄付坊主、陰の大引け坊主などがあります。

大陰線事例 6592 マブチモーター(日足)

小陽線・小陰線

実体部分の値幅が株価の3%前後で、ヒゲがないか、あっても実体の長さを上回らない程度の足型をいいます。
相場が迷っている事を暗示し、上下のヒゲとも短いローソク足となります。一般に保ち合いの状態のときに出現し、相場参加者の心理としては気迷いとされ、小陽線が何本か連続すると大陽線につながってきます。

小陽線

実体部分の値幅が株価の3%前後で、ヒゲがないか、あっても実体の長さを上回らない程度の足型をいいます。
実体(胴体)、上下のヒゲとも短いローソク足となります。一般的には弱い持ち合い状態である事が推測でき、調整局面を迎える可能性が考えられます。

コマ

小陽線、小陰線のなかで実体、ヒゲ共に短いローソク足をコマ、特に実体の小さいものを極線と呼びます。寄り付きから大引けまで殆ど値動きがなかった事を示します。
市場参加者の思惑に方向感や勢いもない、休養、気迷いを表わしています。高値圏、底値圏で現れれば、基調転換を暗示している可能性が高いと言えます。

コマは、小陽線、小陰陽のいくつかが連続して保ち合いの状態を形成した後に大きく動き出す可能性を秘めていますので、注意深く監視しする必要があります。

コマ・極線事例


日本調剤

陽の丸坊主・陰の丸坊主

ヒゲがついていない長いローソク足。誰が見ても評価が一致するような材料が出た時に現れやすく、一方向に一貫して大きく動いた事を示します。陽線なら買い勢力陰線なら売り勢力が圧倒的に優勢であると言えます。

底値圏で陽線の丸坊主または高値圏で陰線の丸坊主が現われた場合は基調転換のシグナルと見られる場合も多い。相場がすごく強い事を表わす特徴的なローソク足です。

陽の丸坊主事例


日経平均(日足)陽の丸坊主
6326クボタ(週足) 陽の丸坊主
6326クボタ(週足) 陽の丸坊主

陽の寄付き坊主・陰の寄付き坊主

寄り付き方向のヒゲがない、長いローソク足。陽線の場合、寄り付き後大幅上昇したが、取引終了までは続かず、やや押し戻されて引けた事を表わします。
陰線 の場合、寄り付き後大幅下落したが、取引終了までに売り一巡、やや押し上げられて引けた事を表わします。丸坊主や大引け坊主ほど強力ではありませんが、陽線なら買い勢力、陰線なら売り勢力と考えられます。

ローソク足の形状からさまざまな呼び名がつけられ表現されています。
大陽線大陰線のうちヒゲのある無し、上ヒゲ(上影)か、下ヒゲ(下影)かで次のように分類されています。

陽の大引け坊主、陰の大引け坊主

終値方向のヒゲがない、長いロ―ソク足。陽線の場合、一時は始値を下回るが大幅に上昇、高値引け。陰線の場合、一時は始値を上回るが大幅下落、安値引け。陽線なら買い勢力、陰線なら売り勢力と考えられます。

上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線

相場がやや弱い事を表わすローソク足です。しかし、下落局面で出現したときなどは底打ちを暗示する事も多くあります。


上ヒゲ陽線 (上影陽線)

相場がやや弱い事を表わすローソク足です。相場の勢いが衰えつつあることを暗示します。

上ヒゲ陰線 (上影陰線)
3341日本調剤(日足)
3341日本調剤(日足)

上のチャートは3341日本調剤です。赤丸印では、連続陽線が出現し高騰、最後に出来高を伴い上ヒゲ陽線(上影陽線)と上ヒゲ陰線(上影陰線)の出現により上値が重くなってきていることがわかります。買い方が利食い売りしていることがわかります。

下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線

下ヒゲ陽線は上昇を暗示するローソク足です。売り物に押され下押ししたものの、買い方に支えられ流れが反転し、寄付きより終値が高く終了したローソク足の型。影(ヒゲ)が長いほど反発が強かったことを意味します。

下ヒゲ陽線 (下影陽線)

下ヒゲ陰線は下落を暗示するローソク足です。売り物に押され下押ししたものの、買い方に支えられ流れが反転し、寄付きまでは回復せず陰線で引けた型。

下ヒゲ陰線 (下影陰線)

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カラカサ(下ヒゲ陽線 下ヒゲ陰線)

陽線、陰線共に実体が短く、実体の3倍以上の長い下ヒゲを持つローソク足をカラカサと言います。

陽線の場合、一時大量の売りで下落したが、その後それを上回る高値で引けたもので上昇を暗示。陰線の場合、大量の売りに対し買い勢力が買い上がったが力及ばず、始値を下回って引けたもので、高値圏に出れば売り転換、底値圏に出れば買 い転換を暗示。

上位に出れば、相場の上昇期にあると考え飛びつき買いをしがちで、高値掴みとなり損失を被る可能性が高くなります。そのため、首吊り線とも呼ばれるローソク足の型です。

十字線

十字線(寄引同時線)は、相場の転換時に出現しやすいローソク足です。
ローソク足の読み方としては、名前が示すとおり寄り付き(始値)と引け値(終値)が同じ価格であったことを示す足です。

十字線(寄引同時線)にもいくつかのパターンがあります。それぞれ、出来高との関係も見る必要がありますが、売り方と買い方とのエネルギーのバランスが拮抗していることを示していますので、上か下かどちらかにトレンド転換することを暗示するものです。

寄引同時線の変則型として次のものがあります。
寄引同時線

十字線(基本形)

上ヒゲも下ヒゲも比較的短く、十の字のように見える線。売り方、買い方共に思い切っては動けず、相場の様子見、打診売り買いで出来高も少ない状態。相場の流れが変わるときに現われやすいローソク足。

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足長同時線

「寄せ線」ともいい、上ヒゲ・下ヒゲ共に同じくらい長い十字線のローソク足。売り買い共に力は拮抗している状態が表わされています。どちらかが勝れば、その方向に雪崩のように動く可能性あり。攻防の分岐点。

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一本線(4値同値)

上ヒゲも下ヒゲもない横一本の線。寄り付き後、上へも下へも行けず、取引手控え、勢いが止まった事を示唆。消極的な線といえます。

ローソク足一本線

トンボ

上ヒゲがない十字線のローソク足。寄り付き後、売り方優勢で下落。買い方の勢い盛り返すが寄り付きを超えられず、高値圏に現れれば高値を買い上る勢いが衰えてきたこと、また、底値圏に現れれば押し戻す買い勢力を暗示します。

トンボ

塔婆(とうば)

下ヒゲがない十字線。寄り付き後、買い方が買いあがったが、勢いが続かず、大引けには寄り付きの値段まで戻る。高値圏では買い方と上売り方の力が接近し上げ止まりを暗示。それ以外の場面で現れれば、小休止を暗示するローソク足。
塔婆

十字線(寄引同時線)事例

以下のチャートは、7201日産自動車(日足)です。A、B、Cの赤丸内に十字線(寄引同時線)が見られます。

まず、Aの部分ですが、600円をいったんは抜けたものの、利益確定売りなどの押し目をつけ、再び600円超えに挑戦しますが、心理的節目の600円が強く、株価が拮抗している状況が見れます。ヒゲの短い十字線が出現し、売り方、買い方の力が均衡しています。そして、しばらく経過後下落に転じたというチャートのパターンです。

次にBの赤丸ですが、当日の出来高は明らかに少なく、市場参加者が様子を伺っていることがわかります。29日に業績発表を控えており、29日には好業績に期待した投資家が打診買い。29日夕刻に発表された内容を好感視され、30日にの窓あけ急騰に至ったということになります。ちなみにこの時、ホンダもともども急騰し自動車株に市場の人気が集まりました。いずれも前年同期比では8割以上の減益ながら日産は4?6月期3四半期ぶりの営業黒字、ホンダは2四半期ぶりの営業黒字となったことから急騰したということです。

次にCの赤丸ですが、8/14と、8/20に十字線(寄引同時線)が出現しています。夏季休暇中ということもあり出来高は細り、好業績を好感視した買い方が、利益確定売りを模索すると同時に、年初来高値を更新していることなどもあいまって、上値には抵抗感があったことがわかります。そして、天井圏での十字線(寄引同時線)の出現、つまり、売り方、買い方との力の均衡が崩れ始め、下落トレンドに転換したと考えられます。

はっきり言えることは、エネルギーの均衡はいつまでも続かないということがわかります。つまり、売り方、買い方の力のバランスがどちらかに偏った時にトレンドが発生するということです。

7201日産自動車 (日足)十字線
7201日産自動車 (日足)十字線

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