寄引同時線は、相場の転換時に出現しやすいローソク足です。ローソク足の見方としては、名前が示すとおり寄り付き(始値)と引け値(終値)が同じ価格であったことを示す足です。
寄引同時線にもいくつかのパターンがあります。それぞれ、出来高との関係も見る必要がありますが、売り方と買い方とのエネルギーのバランスが拮抗していることを示していますので、上か下かどちらかにトレンド転換することを暗示するものです。

寄引同時線の変則型として次のものがあります。
十字線(基本形)
上ヒゲも下ヒゲも比較的短く、十の字のように見える線。売り方、買い方共に思い切っては動けず、相場の様子見、打診売り買いで出来高も少ない状態。相場の流れが変わるときに現われやすいローソク足。

足長同時線
「寄せ線」ともいい、上ヒゲ・下ヒゲ共に同じくらい長い十字線のローソク足。売り買い共に力は拮抗している状態が表わされています。どちらかが勝れば、その方向に雪崩のように動く可能性あり。攻防の分岐点。

一本線(4値同値)
上ヒゲも下ヒゲもない横一本の線。寄り付き後、上へも下へも行けず、取引手控え、勢いが止まった事を示唆。消極的な線といえます。

トンボ
上ヒゲがない十字線のローソク足。寄り付き後、売り方優勢で下落。買い方の勢い盛り返すが寄り付きを超えられず、高値圏に現れれば高値を買い上る勢いが衰えてきたこと、また、底値圏に現れれば押し戻す買い勢力を暗示します。

塔婆(とうば)
下ヒゲがない十字線。寄り付き後、買い方が買いあがったが、勢いが続かず、大引けには寄り付きの値段まで戻る。高値圏では買い方と上売り方の力が接近し上げ止まりを暗示。それ以外の場面で現れれば、小休止を暗示するローソク足。

以下のチャートは、7201日産自動車(日足)です。A、B、Cの赤丸内に寄引同時線が見られます。
まず、Aの部分ですが、600円をいったんは抜けたものの、利益確定売りなどの押し目をつけ、再び600円超えに挑戦しますが、心理的節目の600円が強く、株価が拮抗している状況が見れます。ヒゲの短い十字線が出現し、売り方、買い方の力が均衡しています。そして、しばらく経過後下落に転じたというチャートのパターンです。
次にBの赤丸ですが、当日の出来高は明らかに少なく、市場参加者が様子を伺っていることがわかります。29日に業績発表を控えており、29日には好業績に期待した投資家が打診買い。29日夕刻に発表された内容を好感視され、30日にの窓あけ急騰に至ったということになります。ちなみにこの時、ホンダもともども急騰し自動車株に市場の人気が集まりました。いずれも前年同期比では8割以上の減益ながら日産は4?6月期3四半期ぶりの営業黒字、ホンダは2四半期ぶりの営業黒字となったことから急騰したということです。
次にCの赤丸ですが、8/14と、8/20に寄引同時線が出現しています。夏季休暇中ということもあり出来高は細り、好業績を好感視した買い方が、利益確定売りを模索すると同時に、年初来高値を更新していることなどもあいまって、上値には抵抗感があったことがわかります。そして、天井圏での寄引同時線の出現、つまり、売り方、買い方との力の均衡が崩れ始め、下落トレンドに転換したと考えられます。
はっきり言えることは、エネルギーの均衡はいつまでも続かないということがわかります。つまり、売り方、買い方の力のバランスがどちらかに偏った時にトレンドが発生するということです。
7201日産自動車 (日足)寄引同時線
寄引同時線など、その後トレンドが発生した場合の売買技法解説はこちら
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