自信過剰バイアス

実践投資アドバイザー

実践投資アドバイザーの住川が解説しました。
投資歴23年。投資教育事業は今年で13年。その間6,500名を超える受講者さんを指導。稼げるトレーダーを多数輩出。⇒ミッション及び会社概要投資力養成プログラム・受講者さんの声


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人間の心理として、自信を持っていることほど、客観的な判断ができなくなるという心理状態がある。

  • 銘柄情報を高いお金を出して買った
  • カリスマトレーダーの高額セミナーで学んだ
  • 有名証券会社の元アナリストの情報を入手し間違いないと判断した
  • 何はともあれ、渾身の力を尽くしてこの自分が分析した

このような状況はよくあることだ。自分のスキルや判断、行動に過剰に自信を持ってしまう。適切に損切りなどできないことになる。自信があるから損をするはずない・・・というわけだ。

これを、自信過剰バイアスという。

たまたま偶然、アベノミクス相場に乗っかって、資産を膨らませた人などは、2016年のブリグジットや米国大統領戦での乱高下で資産を吐き出していることであろう。
これもまた、自信過剰バイアスが影響している。

ある調査結果がある。男女の運用結果を比較したもので、男性の方が運用成績が悪いというもの。これは、男性の方が自信過剰である傾向が強く、売買回数を比較しても圧倒的に多かったそう。自信があるから回数を多くし、うまくいかなかった売買をカバーしようと、また回数が増える。
やればやるほど、損が膨らんでいくということになる。
自信過剰バイアスなど、決してプラスには働かないということである。

だったらどうするか?
人間は合理的な行動をしないということを、まずは十分認識することである。合理的に行動していれば、投資そのものを始めていないかもしれない。

運転技術について、以前、このように紹介したことがある。

  1. 上手だと思う
  2. 平均ぐらい
  3. 下手だと思う

街のドライバーに聞いた場合、1,2,3それぞれの割合は、3割ずつぐらいの同じ割合と思うだろうか?

驚くことに同じ割合にはならない。スェーデンで行われた調査では、実に9割が自分は運転が上手だと考えているそうな。

自分の技量を過大評価してしまっている。これが、「認知の罠」だ。車の運転に潜むリスクを過小評価し、状況判断がうまくできるという、錯覚を持ってしまう。

ある時、重大な事故を起こし、取り返しのつかないことになる可能性が高い。「あー、恐い恐い」自分がいくら細心の注意を払おうとも、周りがやらかしてしまい巻き添えを食う。だから本当に恐い。

トレードでも同じ。あれやこれや、これまでに学んだテクニカルを駆使して分析した。しかも、掲示板をみても買い優勢。「よし、間違いない。ここは信用枠一杯に使って攻めていくぞ」ってな事をしでかして、ロスカットもできないまま追証を食らう。

追証ざんまいだ。寿司ざんまいなら胃も喜ぶが、追証ざんまいは胃がきゅっとなる。どこそこの証券会社の元ディーラーといった肩書きでトレードビジネスをする輩がいる。

132連勝だか何だか、すごい実績を持つ女神もいるそうな(笑)

「すごい人が教えてくれるんだから、それで儲けるようになれるはずだ」と、思うのも「認知の罠」肩書きにつられて、平凡以下のことを過大に評価してしまう。
認知の罠も、自信過剰バイアスと言える。多少儲かったところで、損する方が多いわけだ(笑)

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