本当にそれでいいのか?正しいと信じて疑わない事を、まず疑ってみる

物事の概念というか、本質というか、無意識にある根本的な部分を変えるのは簡単ではありません。

トレードは、確率で成り立っていると頭ではわかっていても、いざ本番になると目の前の動きに翻弄されジタバタする人は多い。上手くいかなかった原因を突き止め、問題解決をするようにアドバイスしている事もあって、エントリー後の値動きに関する事もやたらとこだわり、上手くやろうともがく事になります。

「それ、意味あるのか?」
と思う事が実に多い。

無意識のうちに持っている考え方を概念というが、あくまでもそれは主観的であるということになるわけです。思い込みとも言えるし、見たい人が見たいように勝手に捉えて見ているんです。私が思っていることと、違うことを見ているとも言えます。だから、ややこしい。

最近、ウォーキング・デッドにはまってしまいました。

ゾンビの世の中になってしまった世界で、生き残った人が家族や仲間を守るために戦うという内容です。アメリカのテレビドラマでシーズン9まで製作されていて、1シーズンが16話あるので相当なボリューム。登場人物の心理的な葛藤が実に見事に表現されている。スリリングな展開の速さと危機を乗り越えていく突破力。自分もその場にいるような臨場感を味わうことができる事などが本当に面白いんです。

「生きる」という動物の本質の部分でさえ、人それぞれ主張が違うし、同じ人でも危機に直面するたびに考え方が変化していく。「生きる」という根本的な部分でも登場人物によって考えが違うところも面白い。


トレードは確率ですから、確率の本質的な部分を理解してほしいと思っていても、当の本人が気にするのは一回一回を上手くやる事。一回一回が気になって仕方ないので、100回トレードするなら、100回のうちの一回だという事が完全に飛んでしまい割りきる事ができないでいます。


本当にそれでいいのか?



と、正しいと信じて疑わない事を、まず疑ってみることが大事。
ウォーキング・デットでも登場人物は常に迷っている。「本当にこれでよかったのか?」と。


思い込み。
勝手解釈。
行動心理学ではバイアスといいますが、ここに切り込んでいく必要があるんです。

投資本に書いてあったとか、買いサイン、売りサインとか、そういう展開の時もあれば、そうならない時もある。そもそもが、全く同じチャートを見ても、人それぞれ見え方が違うんです。買いたいと思う人もいれば、売りたいと思う人も存在する。だから、取引が成立する。


見え方が違うわけだから、投資本に書いてある事でも、それは本を書いた人の見え方であって、読んでいる人の見えているものとは違う。だからこそ、自分がみるチャートの型で機能するのかしないのか、自分の見えたもので統計を取ってみて判断する必要があるんです。


でも、
統計を取ってみたら?
と言っても、統計を取りません。

だから、見えることも見ないまま。

確率を無視して全てのトレードで上手くやろうとしているので、当然上手くいかない事のほうが多くなり、それでイライラする。結局そこから抜け出せなくなるので、認知的不協和の状態になり不協和を解消しなければいられなくなる。


つまり、「こんなバカらしい事、やーめた」
となるわけです(笑)
これが上手くいかない人に起きている事。
上達できないでいる原因です。



そこで必要なのが第三者からのアドバイス。
これもアドバイスする人の主観が入り込むのであって、アドバイスされる側にハマるかどうかは違った話。

そういう事なので、私は受講者さんへは答えを言うのではなく、考えるヒントを出すようにしているんです。

  • ここは、こういう意味じゃないのか?
  • 私にはこういう風に見えるけど、あなたはどう見えるか?
  • この部分をどのように解釈しているのか?
  • この事に関して、復習したら?

という具合に。



物事の概念というか、本質というか、無意識にある根本的な部分を変えるのは簡単ではなく、非常に難しい。

ましてや一人でやってる人は、本当に大事な事に気付けないでやる事になります。間違ったまま資金を投下し、資金を減らし、やってもやっても上手くいかないので認知的不協和を解消するために、やめていく。


そしてこう言う。
「お金お金って、お金で幸せが買えるわけじゃあるまいし。お金の亡者になりたくない」

これでは、どんなに頑張っても勝つ事は不可能でしょう。
自分が否定している事を頑張ろうなど、普通は思いませんからね。
その延長で、生涯お金に困る事になる(笑)

これが普通の人が上手くいかないパターンです。




と、長々と語ってみたが、結局、伝わってないんだろうなと思う。
なぜなら人は、聞きたいことしか聞いてないから。

どの銘柄を買うのかを知りたいのであって、確率だとか統計だとか概念とか、面倒で 小難しい事に興味ない。
興味のないことを聞こうとしないから伝わらない(笑)