ダウ理論の基本項目

ダウ理論(ダウ・セオリー)とは

日本流のケイ線の元祖は「酒田ケイ線 酒田五法)」の本間宗久ですが、米国の元祖は「ダウ理論(ダウ・セオリー)」というチャート理論を唱えたチャールズ・ダウにあたります。

今では日経平均といっていますが、昔は東証ダウ平均とも言われており、チャールズ・ダウの考案した株価計算方式によっていたわけです。当然ながら、NYダウ工業30種平均の「ダウ」も同じことです。

ダウは、株価の動きを歴史的に説明することを目的として、二つの指数を作成しました。12のブルーチップからなる工業株平均と、12の鉄道株からなる鉄道株平均です。その後、鉄道株も運輸産業の変化に伴って内容は徐々に変更されて、現在は運輸株20種平均となっています。

ともかく景気と株価の関係を説明するための株価の歴史的な動きを研究する必要性から、その株価の連続性を求めて、「ダウ平均」という平均株価の計算方法を考えついたといわれています。

ダウ理論(ダウ・セオリー)は、米国ウォール街はもとより欧米市場においても最も古く、飛びぬけて知名度の高い株式チャートの主要トレンドの識別法であることには間違いありません。

ただ、ダウ理論(ダウ・セオリー)だけで相場の波動を判別するには問題があるので、他のチャート分析手法と合わせ株価動向を探ることが必要になってきます。

ダウ理論(ダウ・セオリー)の基本項目

これらは、すべて株式チャート分析の原理原則となります。その後開発されたさまざまなテクニカル手法は、ダウ理論(ダウ・セオリー)の応用版ということになります。

平均株価は、すべてのものを織り込んでいる

毎日毎日の終値の変化は、現在、そして予測されるものを問わず、全市場参加者の判断のすべての結果です。したがって、この過程で株式の需給関係に影響を与えるものは、すべて相場に織り込まれているというわけです。いずれにしても、こうした考え方に基づかないと株式のテクニカルチャート分析は成り立ちません。

勝てるトレーダーが参考にするのは、チャートだ!

株式市場は、3つのトレンドを持っている

主要波動は、大勢的トレンドですが、その波動の期間は1年から数年にわたっています。2次波動は中勢的訂正のリズムです。つまり、中勢波動は大勢上昇相場のなかで重要な反落、または、大勢下落相場にあって重要な反騰であると定義されています。通常は数週間から数か月は続き、それまでの上げや下げの波動の三分の一とか三分の二、特に二分の一を帳消しにする例が多いとされています。

小波動は、短期変動です。これは日々ベースですが、操作されることもあるので、長期投資家の予想用には役に立たないこともあるとされています。

トレンド、つまり相場の流れ・方向性について以下の3種類を定義します。

  1. 一年以上、時には数年間にも及ぶ長期トレンド・・・主要トレンド
  2. 3週間から3か月程度継続する中期訂正トレンド・・・二次的トレンド
  3. 一般に寿命が3週間未満程度の短期トレンド・・・小トレンド

大きな波が引潮の状態であるのに、委細構わず買い向かったところでその投資成果はたかだか知れたものです。それは、トレンドに逆らっているということから明確な事実です。

しかし、トレンドに逆らうことなく売り買いの回数は少なくとも、大きな波の流れに乗っかったならば、高収益を享受できることに違いはないわけです。

1の長期トレンド(主要トレンド)は、長期投資家が捉えたらそれでよいと考えていたら間違いのもとです。
むしろ、短期・中期派のトレーダーにも重要な意味合いを持つことになり好成績を上げるためには、長期トレンドに目配せすることを怠ってはなりません。

一般的に長期トレンドが転換すると少なくとも底値、高値から20から30%は上昇、あるいは下降するケースが多くあります。

2の中期訂正トレンド(二次的トレンド)は1の長期トレンドの株価の進行を一時的にさえぎる重要な反動と定義しています。強気相場の過程で起こる中勢的な反落、または弱気相場における中勢的な反騰などが訂正トレンドとしています。

一時的とは言いましたが、期間としては3週間から3か月程度とみておく必要があります。また、長期トレンドの3分の1から2分の1程度の反動をしますが、それ以上の騰落幅となる場合も少なくありません。

株式市場の上昇・下降はともに3つの局面からなっている

A:強気市場の場合、まず、最悪のニュースの消化及び将来に対する自信の回復とともにはじまります。これは目先的に動くことのできる投資家の始動期です。

B:第二は経済状態の現実の回復に対する株式の反応です。出来高も増加し、投資家がもっとも利益を得やすい時期です。第三局面は、自信過剰と投機優勢から根拠の薄い憶測などを材料に上伸します。出来高も膨張しますが高値波乱を起こしやすくなります。

C:弱気市場の場合、最初は買い動機の放棄で始まるとしています。目先的に動くことに優れた投資家は、売り投げを始めます。期待した利益は急速に消失しはじめます。第二局面は、同時進行的に経済活動と、企業収益の低下が明らかになってきます。株式市場での買い方は少なくなり、売り急ぎから株価の下落は大きくなります。第三局面は、下落のクライマックスとなり、企業の実態価格と無関係に売られる場合もでてきます。優良株も最後の換金売りの対象となって急落します。
この上昇、下降の三局面の動きの説明をみますと、まさに投資家心理と相場の揺れ動きを表しているといえます。

主要トレンドの中にも数週間単位の中勢的リズムの2次波動が読み取れます。しかし、いづれも主要トレンドを上抜く、あるいは、割る事をしていません。しかし、いったん割ってしまえば、トレンドが転換したことがこの株式チャートから読み取れます。

レンジは是正運動に変わることが多い

レンジとは、株価の横ばい状態のことで保ち合いのことを指します。売りと買いの力が比較的長い間均衡している状態です。レンジ(保ち合い)の後は、上下どちらかに放れていくケースが多いため注意が必要とされています。この保ち合い期間が長ければ長いほど、また、変動幅が狭いほど、株価の上放れ、下放れは新たな波動の始まりとして注目されます。

出来高はトレンドと一緒に動いている

現在ではごく当たり前の理論ですが、ダウ理論(ダウ・セオリー)ではともかく株価と出来高の関係は、上昇・増加、下降・減少という形でパラレルに動くというものです。一般的には、強気市場では株価が上昇する時に出来高は増大し、株価が反落するにつれて減少します。

逆に弱気市場では、株価が下落する時に出来高が増加し、株価が反騰するときに減少するという傾向があります。そこで、このパラレルルールが崩れる時、つまり強気市場と目されている段階での株価上昇時に出来高増加が思わしくない時は、この強気相場に変調あると見るわけです。

逆に弱気相場にあっての株価反騰時に、出来高が増加してくれば、それまでの弱気のトレンドが近く反転することを示す信号と見てよいダウセオリーでは定義しています。

確認の原則

米国特有のセオリーなのでここでは省略します。

終値重視である

一日の動きが最終的に集約されたのが終値であり、その終値が翌日以降の相場の強弱動向へ、投資家心理に最も大きな影響を与えているとしています。この考え方を元にして、米国でのチャートの表記方法がバー・チャートが主流になっていると考えられます。

トレンドの転換は、その波動に関して直前の高値を抜けず直前の安値を下回ったときである

ダウ理論(ダウ・セオリー)における重要な項目である「トレンドの転換」に関する基本項目です。ダウ理論(ダウ・セオリー)の基本観は、相場の大きな方向を捉える「トレンド」の解釈にあります。

ダウ理論(ダウ・セオリー)では、相場には3つのトレンドがあるとし、「海の潮」「波」「波紋」になぞらえています。メイントレンドは、潮の流れ、二次トレンドは潮によって作られた波。小さなトレンドは風の起した波紋であるとしています。

海の動きが満潮なのか、引潮なのかは最初はわからない。しかし、しばらく観察していればわかります。波が、その前にまで届いていた地点までこなくなっているか、あるいは、その地点を次から次に上回っているかということです。

この満ち潮への方向がメイントレンドとしての上昇相場であり、引潮への方向が下降相場ということになるわけです。
ともかく、株式相場観の第一歩は、株価が大勢として上昇方向にあるのか、下降方向にあるのか、または、横ばいなのかを見分けることからはじまります。

それを見分ける方法が、トレンドラインを引くことにあたります。

ダウ理論(ダウ・セオリー) 関連書籍

先物市場と題されていますが、株でもFXでもETFでもCFDでもチャートが描けるものならなんにでも適用できるテクニカルの紹介本。 アメリカで開発され発達したテクニカル分析を包括的に網羅している良書であり、トレーダーなら必ずそばに置いておきたい一冊。

概略
世界の最高峰が全ノウハウを公開!チャートが見えた!通貨 金利 株式 債権 金 石油 商品 etc (日本語版への序文より)テクニカル分析の大きな力の一つは、その普遍性にある。時間。市場環境を問わずに適用ができる。日計りのトレーディングにも数年にわたるトレンド分析にも有効なテクニカル分析である。金・石油・大豆等の伝統的商品先物にも、通常・金利・株式先物指数等の金融先物にも利用できる。また、近頃の市場での出来事は、いかに世界の市場が相互に関連しているかを示しているが、テクニカル分析を持ってすれば市場間あるいは国際間の境界線をわたることはいとも簡単であ。

  • 第1章 テクニカル分析の哲学
  • 第2章 ダウ理論
  • 第3章 トレンドの概念
  • 第4章 主要なリバーサル・パターンの研究
  • 第5章 コンティニュエーション・パターン
  • 第6章 出来高と建玉
  • 第7章 移動平均
  • 第8章 オシレーターと反対意見
  • 第9章 イントラデー・ポイント・アンド・フィギュアチャート
  • 第10章 3枠反転基準と最適P&F
  • 第11章 エリオット波動理論
  • 第12章 タイム・サイクル
  • 第13章 マネー・マネージメントとトレード戦略
  • 第14章 要約と統合