三川とは、ローソク足三本の組み合わせで生じます。陽線の右上、陰線の右下にそれぞれ短いローソク足が空(窓)を作り、まるで星が出たような形になった後、3本目に1本目とは陰陽反対の線が空を作った場合の事を三川と呼びます。酒田五法の「三川明けの明星」「三川星宵の明星」です。
三川明けの明星とは
酒田五法、「三川明けの明星」とは、長めの陰線が出た後、その下に空(窓)を開けて上ヒゲ下ヒゲをつけた十字線、または十字線に近い実体の短い陽線か陰線が出現し、3本目に上放れて陽線で1日目の陰線の上半分あたりで引けた、下図のような形を指します。
下落局面にあった相場なので、
買いの勢い < 売りの勢い
と、ホルダーの手仕舞い売りで株価が下落しているところで、2本目のコマで売り買いの勢力が均衡し保ち合い状態で、
買いの勢い ≒ 売りの勢い
となり、3本目の陽線で、
買いの勢い > 売りの勢い
と売り買いが逆転し上昇転換になります。
三川明けの明星_チャート事例
2019年5月の三川明けの明星では、窓空け急騰から株価が急上昇し一転利確売りで急落しました。
売り買いの勢いが逆転し最終的に窓空け急落で下ヒゲ陰線が出現。
ホルダーの手仕舞い売りと買い方の買い控えから、
買いの勢い << 売りの勢い
となりました。
2本目の下ヒゲ陰線から上昇開始で3本目に大陽線が出現。
5月初旬の前回安値付近まで下げ、窓開け急騰についていった短期での買い方の手仕舞い売りが落ち着く。同時に買いが積極的に入り始め、
買いの勢い > 売りの勢い
となり、三川明けの明星となりました。
また、6月末にも三川明けの明星が存在します。
同じようにホルダーの手仕舞い売りが落ち着き、実体の短いローソク足が出現。三川明けの明星となり、その後上昇転換していくことになりました。
三川宵の明星とは
酒田五法、三川の「三川宵の明星」は、長めの陽線の後、その上に窓を開けて上ヒゲ下ヒゲをつけた十字線(または十字線に近い実体の短い陽線か陰線)が現れ、3本目に下放れて陰線で1本目の陽線の下半分あたりで引けたものです。
これも同様に3本をまとめてみるとわかりやすくなります。1本目、上げ基調であったものが2本目のローソク足では、上へも下へも動かないこう着状態。そして、3本目に下落へと転じ、3本を組み合わせたローソク足は、実態の短い上ヒゲの長いローソク足が出現することになります。上値抵抗感が強く、売り圧力の方が大きいことは、簡単に想像できます。
心理的な変化は、明けの明星とは逆で、高値圏を警戒している買い方勢が売り手仕舞い、売り方が新規に参戦してくる状態と言えます。
上昇局面にあった相場なので、
買いの勢い > 売りの勢い
と、ホルダーは含み益が増え続け手仕舞いしない。買い方の積極参戦で株価は上昇。
明けの明星となった部分で売り買いの勢力が均衡し保ち合い状態で、
買いの勢い ≒ 売りの勢い
となり、3本目の陰線で、
買いの勢い < 売りの勢い
と売り買いが逆転し下落転換になります。
三川宵の明星_チャート事例
コロナの関係から急落し一時的に戻したところ、逃げ遅れたホルダーの手仕舞い売りなどの関係で、酒田五法で言う三川宵の明星が現れ反転下落のサインとなったケース。
宵の明星の前、4本の陽線と窓あけ上昇で急騰。そろそろ限界と見たホルダーは手仕舞いに動くと同時に、高値掴みしたくない買い方の買い控えにより、
買いの勢い ≒ 売りの勢い
となり三川宵の明星になった。
翌日以降、ホルダーの手仕舞い売りが出てきて、
買いの勢い < 売りの勢い
となって下落することになった典型的な三川宵の明星のケース。