たった2本のラインを引くと相場参加者の思惑がはっきり見えてきますよね。3380円あたりの下値支持線と3650円の上値抵抗線の保ち合いになっています。さて、まず考えることは、なぜ3380円の下値支持線が機能しているのか?
この株をすでに保有するホルダーが、下値支持線より安く売ろうとしないから。そして、この株を買おうとする人が下値支持線あたりでは買いに動くから。買い ≒ 売りの状態になっているからです。その後買いが増えることで買い > 売り 上値抵抗線ではその逆。ホルダーの売りがやや積極的になると同時に買いが入らなくなる。
買い < 売り
需給関係をみると単純な原理です。では、上値抵抗線をブレイクするとどうなるか?
基本的には、ホルダーの売りがさらに減ると同時に、様子を伺っていた買い方が行動を起こし株価は上昇する。5/2の午前中が、そんな感じになっていましたが、13:00に決算発表があったことで売り込まれ、株価は持ち合いの水準まで下げてきました。
本日(5/2)決算発表、前場は大きく騰げていたが、発表後下げに転じた。動きの大きかった1日。ただし、昨日の終値からは-90 -2.98% さほど大きな下げではない。決算を機会に大口が価格をつり上げて、大衆がたくさん集まって来たところで売りを入れたのだろうか。今後はチャートに従うのみ。
とのこと。私もそう思います。決算日を狙って株価を吊り上げたり、売り浴びせたりすることはよくあることです。理由は簡単で、一般大衆はパブロフの犬がごとく情報に反応するから。
決算が良ければ買う。日経新聞にいいことが書いてあったら買う。バフェットが買ってると聞いたら買う。株価が上昇し始めたら買う。需給関係など気にしちゃいません。目の前に餌があると信じ込ませられた犬は、株価が上がる合図だと思い込んで素直に反応しただけ。
ハブロフの犬効果を狙った仕掛け筋がいるのは明らかなことです。
さて、そんなとき実践家はどうするか?
受講者さんのコメント通り、チャートに従うのみ。上昇するならついて行く。反転下落するなら手仕舞う。これ以外できることはありません。
三菱重工業も三菱UFJも同じ状態です。
三菱商事も三菱重工業も三菱UFJも、実践家なら買いが正解ということになります。思惑通り株価が上昇するなら上昇についていく。逆行するなら切る。実に単純なことです。
さて、ここで三菱商事の年足を見てみます。
特徴的ですよね。上場来1300円(修正株価)を超えることがなかったんです。上場したのが1954年なので70年近く起きなかったことが起きた。
過去の傾向からは1300円を超えて上昇することはありえないということになるわけですが、70年来起きなかったことが起きているということになります。しかも、時価総額ランキング第7位(5/7現在)。14兆円の巨大企業の株価を短期間に3倍も4倍も引き上げるだけの資金が流れ込んでいることになります。この現象は三菱商事だけではありません。
この事実から実践家はどういう行動を取るか?
- トレンドに従って建て切りするか?
- 高過ぎると判断し売るという逆張り思考で臨むか?
日頃から口酸っぱく言っているので分かりますね。受講者の皆さんには、兵庫県Kmさんの超優良レポート「支持線と抵抗線」を暗唱できるようにアドバイスしているので三菱商事、三菱重工業、三菱UFJで起きている高値圏での保ち合いはすでに察知できていることと思います。
「ん?何のこと?」という受講者さんがいるなら、重要な需給関係を認識できないことが今のあなたの課題です。
超優良レポート「支持線と抵抗線」を暗唱できるまでになってください。今日の記事ぐらいのことは、瞬時に見抜くことができるようになれますから。