投資教育事業を長く続けていると、時折このようなことを言う人がいる。
「あんたのせいで大損した」
これは原理原則を理解していない人の言葉である(笑)。
本当の「自己責任」を知っているか?
投資の世界では「自己責任」が重視される。「あんたのせいで大損した」というのは誤りであり、「自分の未熟さから大損した」というのが正しい。「自己責任」は、相場以外でも重要な原理原則である。
現在、良い人生を送れているなら、それも自己責任である。もし悪い人生だと感じているなら、それも自己責任である。将来、幸せな人生にするのも自己責任。将来、悪い人生になっても自己責任。将来投資で儲かるようになったとすれば、それも自己責任。いくらやっても儲からないとすれば、それも自己責任。
要するに、あなた自身の人生であり、人生そのものが自分の責任ということである。
自分以外に答えを探すのは、教育システムに由来する
自分以外に答えがあると考えることは、あなたが悪いわけではない。これは、日本の教育システムに大きく依存している。
学校教育は次に何をすべきかを教えるものであり、誰かの意図に沿ったマニュアルを多く覚えた人が評価される。そのため、自分の知りたい答えは、自分の外にあると考えるようになる。
トレードも同様である。儲かる秘訣は自分以外にあると思っているため、答えを知っている人を探すことが正義であり、儲かる銘柄の答えを探すことが正しい行動だと疑わない。あなたが儲からない理由は、過去の経験に基づいた間違った行動に起因することが多い。
もし、日本以外の国に生まれたなら、「自己責任」以外の要因によって人生が大きく左右される。国家制度や悪習、生まれた境遇など、自らの環境が悪ければ、自己責任とは異なるところに原因があることが多い。北朝鮮などに生まれた場合はどうしようもない。それは自己責任とは異なる。
しかし、豊かで自由であらゆるチャンスが平等に与えられる日本に生まれ育ったなら話は別だ。今の境遇を打破する情熱を持つべきだと思う。投資に挑戦するもしないも自由。チャンスを活かすも活かさないも自由。
なぜここまで強調するか?
他人のせいにする方が楽だからだ。人は楽な方へ流れる。「あんたのせいで大損した」というのも、自分以外に責任を押し付けていることになる。
自分以外に問題の原因を探そうとしても正しい対処法は見つからない。対処法が間違っている限り儲かることはない。
上がる銘柄を当てようとしたり必勝法を探したりして儲からない理由も、自分以外に答えを求めるからである。答えは自分自身にあり、今儲かっていないことも「自己責任」、これから儲けられるよう努力することも「自己責任」である。このことがわかったらやるべきことが見えてくる。
儲けるために今すぐ始めるべきこと
やるべき事の一つとして、「相場日誌」をつけることである。
日々、自分が何を考え、どう行動し、何に苛立ち、何に高揚感を感じ、どんな理由で株を売買しているかを書き留めておくことである。しばらく続けてみると、問題箇所が見えてくるだろう。「これじゃ、儲からなかったはずだ」と気づくのである。