みんな、こうやって騙される

売買戦略のヒント

誰もが一度は騙されたことがあると思います。「明日上がる株の情報を教えます。株は情報が命!」とかいうやつ。合法とも非合法とも言えない手口を使ってお金を巻き上げる。つまり、騙されたと思っても取り返すことはできない。どんな仕組みでお金を巻き上げるのか?一度知っておいた方がいい。

機関投資家の情報を教えてくれるって?(´-ω-`)本当かよ

「機関投資家が・・・」という興味をそそられる売り文句だったので資料請求してみた。もちろん無料。資料は即もらえたものの、なんと、その日のうちに3通もメールをいただいた。その日だけじゃない。毎日毎日毎日毎日毎日3回ずつ送りつけてくる。

    • お前の運用資金はいくらだ?
    • 長期運用か?短期か?
    • お前の投資歴はどのくらいだ?
    • 名前を教えろ、住所を教えろ

    とアンケートに答えよという。この圧力感は半端ない。ナニワ金融道でよく見た取り立てと同じだ(笑)

    「気持ちが熱いうちに会員にしてしまえ」というマーケティング手法だろうが、この押し付けがましさは相当気持ち悪い。とは言っても、配信を停止にはしない。メルマガのネタになる(笑)

    メールを送りつけてくるのは、要するに銘柄情報配信会社の体を装う詐欺会社なのだが、

    • 情報が膨大だから儲けられる
    • 人脈が豊富だから情報が確か
    • 機関投資家と繋がっている

      という。

      嘘つけ!

      機関投資家は情報やノウハウを一般人に漏らすはずがない。彼らはプロ中のプロ集団であり、機密情報はトップシークレット扱いに決まっている。もし、情報を流す奴がいたら、大事な顧客の信頼を失うことになる。背任行為となり立派な犯罪だ。不正競争防止法という法律があって、企業の情報漏洩は背任罪や窃盗罪より重い罰を受けることになる。それなのに、情報を共有してやるという。

      株価が上がる情報を知ってるなら、私だったら会員を細々募るより、一発大ホームランを狙う。借りられるだけ銀行からお金を借りてきて、知り合い、友人知人を頼ってお金を借りまくり、柳井さんや孫さんクラスの大金持ちになる自信がある。

      そう考えるのが普通だと思うが、その情報屋は儲かる銘柄を教えてやると言う。

      なんと親切なのだろう。素晴らしい企業ではないか。
      コロナ関係で苦しんできた飲食店や小売業者を救済できるではないか。
      働く先を失った人たちを助けてあげられるではないか。
      生活保護を受けている人を、行政に頼らず一気に大金持ちにしてあげられるではないか。

      素晴らしい企業だ。金メダル級の企業理念だ。公共に対し功労があった人に贈られる旭日章だってもらう価値がある。

      が、しかし・・・

      そんなわけがない。

      実は、明日上がる銘柄がわかる仕組みがある

      実践投資アドバイザー
      実践投資アドバイザー

      実は奴らは、明日上がる銘柄がわかる仕組みを持っている。

      仕組みはこうだ。

      無料会員登録をすると、銘柄情報が配信されてくる。そこでは多少儲けさせてくれる。また流れてくる。また儲けさせてくれる。何度か続くと、有料会員になれば、もっと有益な情報が配信できると言ってくる。

      無料会員で儲けさせてくれるのだから、有料会員になれば、もっと儲けることができると誰もが思う。そして、何十万も会費を払う事になる。すごい情報が流れてくると思いきや、なぜかいつも天井で買う事になる。

      ピラミッド構造をイメージするといい。
      テッペンから、

      組織の仲間
       ↓
      ビップ会員
       ↓
      有料会員
       ↓
      無料会員
       ↓
      無料掲示板など

      という感じで時間差で情報が流れる。

      もうお分かりの通り、奴らが既に仕込んである株を、推奨銘柄として情報配信する。無料会員が買う頃には、仲間やビップ会員は売り逃げていて、既に結構な利益を手にしている。ピラミッドの高い所にいる者から順番に株を買い、株価を釣り上げ高くなった頃に底辺にいる無料会員に売るという仕組みだ。

      よく考えればわかる。
      買った株は値上がりするから儲かる。
      そして、
      高くても買ってくれる相手がいれば儲かる。

      仲間やビップ会員が買った後、有料会員が買うからさらに株価は上がる。十分高くなったら無料会員や一般会員に情報を流し、持っている株を売りつける。では、無料会員や一般会員が買った株は誰が買うのか?

      そんな間抜けはいない。なぜなら、最も間抜けな種類の人達がバカを見る仕組みになっているのだから。新規無料会員登録した人には、最初の1、2回ちょっとだけ早く情報を流す。ちょっとだけ早く情報を流せば、ちょっとだけ儲けが出る。ここの情報は無料でも儲かると思い込ますためだ。ちょっとだけ儲かったら、もっと儲けたくなるのが人の心理。強欲根性が服を着て歩いているようなもので、そういう人は簡単に騙されるのである。

      実に見事なスキームだ。奴らは、株で儲かり会費で儲かる。つまり、二重で儲かる。昔からある丸儲けの仕組み。

      狡猾に仕掛けられた情報戦に、情報弱者の大衆投資家がまんまと仕掛けられ、お金を吸い取られていく。銘柄情報提供会社の体を取る詐欺会社にとって新規会員獲得が儲けの種だ。何しろ、自分たちが仕込んだ株を買ってもらわないといけないから。

      日に3通もセールスメールを送りつける気持ち悪い行動の理由はこんな感じ。

      誰かが「買え」なんて言っているのにはワケがある。銀行や証券会社が投資信託を買えと言うのも、本質的には同じで、誰かが買うから株があがる。商品を買ってもらい手数料収入を得るのが銀行や証券会社の仕事。

      表向きの取り繕った綺麗なセールス文句を見て、惑わされているようでは、相場の餌で終わるだけだ。

      明日上がる銘柄がわかるのは、そのように仕組まれているから。儲かり情報を人に教えるのは、自分達が儲けるため。日に3通もメールを送りつけるのは、情報弱者を探すため。

      おっと、またメールが来た。

      明日上がる高騰銘柄を教えてやるから、「アンケートに答えろ」だそう(爆笑)

      引っかかる人の共通点、全て◯◯り

      仕掛けるほうがもちろん悪いが、やられる方も悪い。何もしないでお金が儲かるって、そんなうまい話は絶対ない。

      • なんであんただけに儲かる情報が来ると思うのか?
      • これだけ詐欺が蔓延っているのに、なぜ信用するのか?
      • なぜ、頭の中がお花畑なのか?

      と、いつも不思議に思う。こういうのに、引っかかる人には共通の事がある。

      • 自分は何もしなくても、情報さえあれば儲かると考える人
      • 当てる方法を知れば儲かると思う人
      • 上がる銘柄がわかれば儲かると思う人
      • カリスマの手法に儲けのヒントがあると思う人

      全て、人頼り。

      自分が努力しないので楽でいい。
      では、株でほんとうに儲けようと思えば何が必要なのか?

      情報ではない。実行力だ。

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