
損切りだけは、いの一番に身に付けろ
テクニックやノウハウには、資金管理法や買いのルール、損切りや利食いルールなど大事なことは多い。
どれも重要であるが相場から退場しないことを観点にすると、損切りだけは、いの一番絶対に身につけなければならないほど重要といえる。
- 資金管理がうまくいかない。
- 利食いに失敗した
- いいタイミングで買えない
これらのミスは命取りになることはない。
とりあえず資金は温存されるので、再チャレンジが可能である。
しかし、損切りのミスが続くと資金は確実に減り続ける。
再チャレンジの可能性さえ断たれてしまうわけである。
普通、圧倒的大多数の人は儲けることしか頭の中に無いので、損切りを雑にし資金を失い相場から去っていくことになる。
そんな相場から去って行く人でも「損切りが大事だ」と知識では知っている。
しかし、知っていても本当に必要な時に損切りが出来ない。
それは、なぜなのか?
損切りしないとどうなるか?
損切りしないとどうなるか?
実際に統計を取ると面白いことがわかる。
およそ10回に8から9回は買い値まで戻る。
戻る期間はまちまちであるが、損切りさえしなれば3日後なのか3ヶ月後なのか3年後かは別にして、8回から9回は損しないわけだ。
だったら、なぜ損切りしなければならないか?
ということになる。
10回のうち8から9回の、残り1回程度は買い値まで戻らない事がある。
倒産の場合もあるし、上場廃止の場合もあるし、業績がどんどん悪化していくこともある。
早い時代の流れに乗り遅れることだってある。
JAL株や東電のようなケースもあるし、次にあげるようなケースも意外と多い。
任天堂の場合
圧倒的な強さを誇っていた任天堂は、’07年には73,000円の株価をつけていた。今では、他のゲーム関連銘柄に押され、7分の1の1万円を割り込むほどの下げようである。
ソニーの場合
ITバブル時の王者ソニーに至っては、17,000円(修正株価)だったものが今では1,500円前後。10分の1以下。
野村HDの場合
野村HDでは、31年ぶりの安値を更新中。2000年の高値と比較するとこれも、10分の1以下。
極端な例ばかりをあげているように思うであろうが、圧倒的大多数の人が相場から去っていくのは、
- 損切りの認識の甘さ
- 塩漬け株を作ってしまうこと
にある。
仕事柄2,000人を超える方々のお金についての相談を受けてきた経験から言っている。
損切りの重要性を知識として知っているだけでは、知らないことと同じなのである。
塩漬け株を持っている多くの人が、
- 損切りしておけばよかった
- 損切りのことは、本を読んで知っていた
- 友人が失敗したのを見てたのに同じ失敗をした
という後悔の言葉を言う。
「知識として知っているだけでは知らないことと同じこと」ということ。
1000%の利益率は現実的でない
仮に、資金を10分の1にしてしまったケースを考えてみる。
300万円が30万円になった。
すると、30万円を300万円に戻したいと、普通の人は考える。
元に戻すには、1000%の利益率が必要となる。
10%、20%の利益でも簡単ではないのに、その50倍、100倍が出来るのか?
無理無理。出来るわけがない。
100m走で10秒切るぐらい無理な話し(笑)
でも、切羽詰まった素人は出来ると考える。
「なんとか・・・、取り戻したい」
「どうしても・・・、取り戻したい」
「逆立ちしてでも・・・、取り戻したい」
「よーし、残った30万円で一発勝負だ」
なんとかしようが、逆立ちしようが、一発勝負だろうが、100発勝負だろうが、100mを10秒切るのは絶対無理。
それと同じぐらい、1000%も無理。
その上・・・、
270万円を失ったことに比べたら、手持ちの30万円の価値はないに等しい。
「270万円取り戻す為には、30万円無くしてもいい」こんな心理状態になっているわけである。
うまくいくと思うのか?ということだが、素人は、「出来る」「やらなければならない」と考える。
私も、このような経験をしたのでよくわかる(笑)
ここで、損切りを苦もなく出来る人が、素人の行動をどう見ているのかを考えてみる。
「資金を市場に供給してくれて、私たちのためにありがとう」ということだ(笑)
実践投資家は素人とは比べ物にならない回数損しているが、損の額は、素人とは比べ物にならないぐらい少ない。
損切りと言っても・・・
「損切り」と一言で言っても、細分化すると次のようになる。
- 損切り幅の設定は?
- 実行手段は?(逆指値、トレイリングストップ、成行)
- どのタイミングで?
- 分割で決済するか?一括決済か?
- 損失の受け取り方(気持ちの保ち方)
- 場中で決済するか?終値で決済するか?始値か?
- 損切った銘柄の考え方は?
- 損切った後、値が戻った際の対処法は?
などなど、内容は多岐に分かれ考えるべき要素は多い。
その分、慣れない人にとっては悩みも多いし、儲けるつもりで損しなければならず、出来ない人はできない。
それが損切りなのである。
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