トレンドライン

トレンドラインは単純だけどすごく大事

株チャート分析の第一歩は、株価が大勢として上昇方向にあるのか、下降方向にあるのか、または、横ばいなのかを見分けることからはじまります。それを見分ける一つの方法がトレンドラインです。

トレンドラインは、安値、高値どうしを1本のラインで結んだ単純なもの。したがって、誰でも簡単に書き込むことが可能です。しかし、トレンドラインの向きを見れば、株価の方向性を把握です重要な指標になります。

トレンドに逆らって売買するということは、市場の勢いに逆らうことになるので、利益を得ることは非常に困難です。そう考えると、利益を上げるためには、トレンドに沿った売買をしなければならないのです。

9101日本郵船(月足) トレンドライン例9101日本郵船(月足) トレンドライン例

トレンドラインの引き方

トレンドラインの引き方とは、図に示したように A点 (相場の出発点となったボトム)と B点 (上昇に移った相場の最初の押し目を作る前のピーク)と C点 (最初の押し目となるボトム)の三点が、相場の上で認められたあと、そのAを結び、それを延長したものが上昇トレンドラインになります。

その際、株価の波動の下側、つまり安値を結んだ線が切り上がっていることが上昇トレンドラインの必要な条件となります。

下降トレンドラインは下降トレンドのD点(ピーク)と、E点(最初の調整安ボトム)とF点(戻りのピーク)の、つまり株価の波動の上側である高値を結んだ線が切り下がっている形になることが必要です。


7270富士重工業(週足) トレンドライン

トレンドは相場上に常に存在するわけではありません。ですから、はっきりとトレンドが確認できるときには、そのトレンドを利用して売買することが儲ける秘訣となります。そのためにも、トレンドラインの見方が重要な意味合いを持つことになります。トレンドは、日足よりも週足、週足よりも月足と長く続くほど信頼性が高くなり強いといえます。

ポイント

トレンドラインの期間が長くなるほど信頼度が高い

下のチャートは4680ラウンドワンの日足チャートですが、6月を天井として下落トレンドに入っています。11月27日に底を打つまで約半年間の下落トレンドが継続し12月の上昇トレンドは力が弱いことが見て取れます。そうすると、長い下落トレンドから上昇に転じるには、それ相当のインパクトを与えるファンダメンタルの改善が必要になるというわけです。




そして、見ているチャートの時間枠が短ければそれだけトレンドに対する信頼性は下がることになります。日足チャートよりも5分足チャートの方が遥かに、ブレイクと反転の回数は多く発生します。そして、トレンドラインの勾配に注目してみることも必要となります。勾配がきついトレンドほど信頼性が低く、その後ブレイクされる可能性は高くなります。上のラウンドワンでは、6月から9月までのトレンドは緩やかで、10月から11月のトレンドは勾配が急であることがわかります。その上、このラウンドワンの場合であれば、直近の最安値を575円を下抜けたことから下げ幅を拡大し、反発上昇のエネルギーとなっていると考えることができます。

トレンドライン事例


4506大日本住友製薬(日足)トレンドライン
4506大日本住友製薬(日足)トレンドライン

7203トヨタ(日足)トレンドライン
7203トヨタ(日足)トレンドライン

7860エイベックスHD(日足)トレンドライン
860エイベックスHD(日足)トレンドライン

上昇チャネル(アウトライン)型

トレンドラインを引いたら、株価の変動幅に何かの規則性があるのかを見なければなりません。もし、トレンドラインと平行して上昇相場なら、その上方にあるほぼ一定の幅をもって線を描ければ、それがチャネルライン(アウトライン)と呼ばれます。そこにはさまれたゾーンをチャネルといいます。

チャネルとは、水路とか溝という意味があり株価はそのラインに沿って動いていることを示します。しかも、その期間が長いほど、その相場のトレンドは強いということになります。

チャネルを利用して相場の行き過ぎを知ることができます。市場を構成する要素は、短期的には相場参加者の心理変化が株価を動かします。チャネルラインに到達したとき、手仕舞いや仕掛けのタイミングと市場参加者が見ることでチャネルの一定の幅が形成され推移することになります。


チャネル事例

8802三菱地所(週足)チャネル
8802三菱地所(週足)チャネル

7203トヨタ(日足)チャネル
7203トヨタ(日足)チャネル

日経平均(日足)チャネル
日経平均(日足)チャネル

トレンドラインを使った相場戦術


トレンドラインを引いたあとの売買戦術ですが、上昇あるいは、下降しているトレンドラインを株価が逸脱せずに、上昇トレンドの上で動いている間は、買い持続で売りは見送り、下降トレンド内に株価がある場合は、売り持続ないし買いの見送りとなります。

上昇トレンドラインを株価が下へ突き抜けてきたときに、それまでの買いから売りへの方針に転換します。

逆に、下降トレンドラインを株価が上へ突き抜けたときに、それまでの売りから買いの方針へ転換します。横ばいトレンドの場合は、その上か下かへのゾーンが破られたときにトレンドは転換したと見ます。

チャネル型の場合は、そのトレンドラインと平行して引かれ外側のアウトラインに近づいたあたりで、短期的には逆張りの戦術を取ることになります。つまり、上昇チャネル相場なら、その上方のアウトライン接近でいったん利食い売りを行い、相場が下降して上昇トレンドラインに接近したら買いなおすというやり方になります。下降チャネルなら下方のアウトライン接近で買い、下降トレンドライン接近で売りということに成ります。