株式投資のチェックリスト
ポイント

人間はミスをするもの。トレードにおいても例外ではありませんね。そう言う意味からも、ミスをしてしまうことを前提として対策を立てることが必要です。

今回は、株式投資でミスを防ぐための最強ツールとして、チェックリストの効果を考え、どのようにチェックリストを活用するかを考えていきます。


結論:ミスを防ぐには、チェックリストを活用すること

間違いを犯す前にチェックリストでミスを防ぐ

都内では50階も60階もある超高層ビルがたくさん建設されています。もし、鉄骨の強度不足とか、厚みが足らなかったとか、ボルト留めの箇所が規定通りに締められてなかったとか。安全上大変なことになります。複雑な工程を経る作業の中で、ミスや事故を防止しながら完成させなければいけません。

私は高いところが怖い。例えば観覧車など。人はミスをすることを知っているので、「そこのボルト、ちゃんと締めてるのか?緩んでゴンドラが落下するんじゃないか?」とビビり倒します。子供が喜び勇んで席を立ちバランスが崩れると揺れるので、「立つな、動くな、じっとしてろ」と言うのが私のできること。観覧車は恐怖の乗り物でしかありません。

何百人と人を乗せて運行する旅客機。車よりも事故や故障の少ない安全な乗り物です。整備や操縦、運航に関する工程は、車なんかより相当複雑です。それでも事故は起きません。

外科のお医者さんにしてもそう。体内にガーゼを回収し忘れたとか、麻酔の分量を間違えたとか、うっかりミスは命取りになります。難易度の高い手術になると、作業工程は複雑多岐にわたるはず。

なぜ、ビル建設や飛行機の運行、お医者さんの業務など複雑なのに致命的なミスが起きないのでしょうか?

重要な作業工程を抜けなくこなすには、共通する重要な「あるもの」を使ってるんです。

それが、チェックリストです。

細かい工程を抜けなくこなすために、チェックリストを作成してミスが起きない工夫をしているのです。人間は間違いを犯します。この事を前提として、ミスを起こさないように作業工程を確認しているのです。

さて、受講者さんから報告をいただく中で、トレードを実行する際同じミスを繰り返すという問題があります。そこで、チェックリストを作ったらどうか?と提案した結果が次のチェックリストです。

チェックリストとは、トレードでエントリーなど行動を起こす前の確認事項や手順を項目にし、レ点を入れてその作業を漏れなく実施するための最強のツールです。

日々行う作業の中で、ミスを連発していてはお金など稼げるようになれません。いかにミスを防ぐか?それが大事になってきます。

トレード、エントリー時のチェックリスト

Yさん
受講者さん

たまに注文ミスをします。エントリー時の確認事項のチェックリストを作ったらどうでしょうとアドバイスをいただいたので、チェックリストを作りました。

また、翌日エントリーする銘柄を決める時、間違った銘柄選択をしてしまうことがわりとあるので、いくつかの候補の中から実際にエントリーする銘柄を決める手順も併せて考えました。12/15から実践中です。

<複数の銘柄で買いシグナルが出た時、実際にエントリーする銘柄を決めるプロセス>

  • 自分はどのような戦略で何をしようとしているのか自分に尋ねる。
  • 銘柄の優先順位が高い。銘柄に優位性がある。
  • 明日参入して、そこから大きな流れを作り出せそうか。
  • チャートから判断して、新規買い方が入ってきそうか。

<エントリー時の確認事項>

  1. 監視銘柄とする時点で除外していると思われるがもう1度確認。デイトレや短期志向の人が多く参戦している銘柄でないか。上髭が多い、移動平均線がガタガタしている、陰線が多い、窓が多い、など。
  2. 感情による取引をしようとしてないか。
  3. 買い>売りとなった根拠があるか。
  4. シナリオが描けるか。
  5. 全体相場が高値膠着状態やペイバックサイクルの時、全体相場に引きずられそうな銘柄にエントリーしようとしてないか。
  6. 新規買い、増し玉の時、残高の確認。
  7. マーケットスピードⅡでリンク注文。
  8. 翌朝、会社で席についてpcの電源を入れた後にスマホで注文の確認をする。習慣にする。
Sさん
受講者さん
  1. その銘柄を選ぶ強い根拠はあるか?またそれをしっかりと自分の言葉で説明できるか?
  2. 月足、週足の現在位置は問題なさそうか?またヒゲが上下に多すぎる銘柄ではないか?
  3. 入るタイミングとして大分遅すぎてないか?逆にあまりにも早すぎていないか?
  4. 日中出来高に対する信用買い残が多すぎないか?
  5. 参加者イメージがしっかりと出来ている上でのエントリーなのか?ただのパターン認識のエントリーになっていないか?
  6. 複数銘柄仕込む場合、そこから相場が下がり続けた場合、当然、たくさん保有しているほど大きく削られやすくなるということを心底理解できているか?
  7. 損切りになった際の再エントリーのイメージはできているか?
  8. 新高値新安値銘柄数の推移の把握はできているか?
  9. 他の類似した動き方をしている銘柄の中でその銘柄にする何らかの理由はあるのか?
Fさん
人物man

やるべきことをやる。余計なことをやらない。
チェックリストを作成しました。

<チェックリスト1 エントリー時>

  • 超トレンドフォロー戦略の概念を確認する。
  • 儲けたいという気持ちが強すぎないか

    →感情に支配された 思いつき売買となっていないか
    →騰がる銘柄を当てようとしていないか

  • 明確なエントリー根拠があるか。

    →見たいようにチャートを見ていないか
    →参加者の心理を読めているか(買い>売りとなっているか)

  • 月足、週足の確認はできているか
  • 損切りになった場合、リスク額は許容範囲内にあるか
  • シナリオは描けているか

上記 OKの場合、翌日寄成での買い注文を入れる。

  • 相場環境の確認

     →先物が大きく下がっているなど、不安要因がある時は取り消す

  • 約定が確認できたら、決めておいた逆指値を設定したか

<チェックリスト2 維持管理>

  • 超トレンドフォロー戦略の概念の確認

    →増玉と両建

  • リスクを受け入れているか
  • 利確を前提とした逆指値の設定になっていないか
  • 徹底的にトントンを目指す意味を理解しているか

逆指値で決済された場合

  • トレンドはまだ 続いているか
  • トレンドが続いていたら 再エントリーできるか
Aさん
受講者さん

記:2022/04/09

【1】戦略的側面

自分はどのような戦略で何をしようとしているのか?
シナリオが描けるか?
思わぬ事態が生じた時にどう対応するかを決めておく
超トレンドフォロー戦略の概念を活用する⇒増玉と両建

【2】感情に注意

感情による取引をしようとしていないか?リベンジ取引ではないか?
感情に支配された思い付き取引になっていないか?アドレナリン出すぎ?
騰がる銘柄を当てようとしていないか?騰がることを予想・期待してないか?

【3】エントリーする時の注意事項

明確なエントリー根拠が有るか?複数あれば尚良い
参加者の心理を読めているか?(買い>売りとなっているか?)
その銘柄を選ぶ根拠はあるか?またそれをしっかりと自分の言葉で説明できるか?⇒中長期的に右上がりトレンドの強い銘柄か?
デイトレや短期志向の人が多く参戦している銘柄でないか。上髭が多い、移動平均線がガタガタしている、陰線が多い、窓が多いチャートになっていないか?
月足・週足の確認は出来ているか?
入るタイミングとして遅すぎてないか?乗り遅れまいとのめり込んでないか?

【5】リスク管理

逆指値で決済された場合、トレンドが続いていたら再エントリーできるか
利確を前提とした逆指値の設定になっていないか

私どもでは受講者さんに報告などを強要することは一切していません。

どこかのサイトのようにお客さんの声を作文することもありませんし、お金を払って書いてもらうこともしていません。また、仲間内で儲かった声を書き合うなんてことも一切ありません。名前出しや顔写真入りで、「何千万稼げるようになりました」とか、リスクを晒して儲かった自慢など不自然極まりないことですし、私どもでは一切行いません。

トレード用チェックリストには作成のコツがある

チェックリストには作成のコツがあります。

まず、最初から完璧を目指さないことです。
とりあえず作成し、運用しながら付け足すことは付け足す。必要のない削れる事は削る。こうやって少しずつでいいので、自分に合ったチェックリストを作り上げていけばいいのです。

ビル建設でも、飛行機の運行でも、外科手術でも数えきれないほどの膨大な失敗を経て安全な運用ができているはずです。ミスや問題が起きるたびに検証し、課題をフィードバックしてミスが起きないようにチェック項目を吟味してきた。

これまでも、そしてこれからもこの連続なんですよ。

人間は完璧ではないので間違いを犯します。記憶力も注意力も危ういからです。
いきなり監視銘柄が動意付いたり、含み益が乗ったポジションが下げ始めたり、「損したくない」という切羽詰まった状態では、普通にできている事ができなくなります。理性が感情に負けるからです。

だからこそ、チェックリストを作成して、ミスの起きにくい環境を作る。趣味程度のつもりでやっているなら手間がかかり面倒ですが、実践投資家として本気で利益を上げたいと思うなら、大事な工程です。何よりも、プロなのですから。

参考図書:あなたはなぜチェックリストを使わないのか?

この「あなたはなぜ、チェックリストを使わないのか」には、医療業界・外科手術の分野にチェックリストを取り入れるに至ったプロセスが解説してあります。直接トレードに役立つ内容ではなく、特に読む必要はありませんが、大事なポイントがいくつかあるので記載しておきます。

良いチェックリスト
  • 効率的で的確。厳しい状況下でも簡単に使える
  • 全てを説明しようとせず、重要な手順だけ記述している
  • 実用的

※良いチェックリストであっても限界がある。

悪いチェックリスト
  • 曖昧、わかりにくい
  • 長すぎて使いにくい
  • 実用に適さない

※全ての手順を細かく書き出すものは、もはやマニュアル。

チェックリスト作成時のポイント
  • 目的が簡潔に定義されていること
  • 設定項目は、見逃される可能性が高く必須である
  • 具体的な行動を促すもの
  • 平易な言葉が使われていてわかりやすい
  • チェック項目は9項目まで