かぶせ線が出た時の相場参加者の心理を、チャートを用いて詳しく解説します。「なぜ、陽線の後に陰線がかぶせるように出たのか?」と、相場参加者の心理や行動、思惑に至るメカニズムまで踏み込んで考えれば、かぶせ線の成り立ちがよくわかり株売買ルールの構築に役立ちます。
かぶせ線とは
かぶせ線とは、前日の大陽線の後、終値よりも高く始まったが、当日の終値は前日の陽線の範囲内に終値をつける型をいいます。
陰線が陽線にかぶさっている形から、かぶせ線と呼ばれます。特に前日陽線の中心以下まで陰線がかぶさった場合は、それまでの買い勢力が弱まり、相場転換となることが多くある事を示唆するローソク足の組み合わせです。
高値圏のかぶせ線_反転下落するメカニズムを解き明かす
一本目の高値圏での陽線は、まだ上がると相場参加者が思っており、ホルダーの売りが出にくく、買い方の勢いがある状態で、
買いの勢い > 売りの勢い
となる。
一本目の陽線より高く寄付き、ホルダーの利食い売りが出始めること。そして、買い方の買い意欲が弱まることで
買いの勢い < 売りの勢い
と、売り圧力が勝り二本目の陰線となる。
一本目の陽線をかぶせる形となったことで、かぶせ線となる。
この時、ホルダーの手仕舞い売りの勢いが増し、買い方の買い手控えにより上値が重い状態となるため、高値圏でのかぶせ線は反転下落になる。
以上、相場参加者の心理や行動、思惑に至るメカニズムまで踏み込んみました。かぶせ線の成り立ちが理解できると思います。トレーディングルールの構築に役立つはずです。
高値圏でのかぶせ線 反転下落事例_不二越
前回高値が2006年高値、2014年高値の2回8,000円のところにあり、2018年1月も前回高値が意識されかぶせ線となって反転下落したケース。
12月の三角保ち合い上放れで株価は急上昇し、
買いの勢い > 売りの勢い
となった。
急上昇したことと、8,000円の前回高値が意識されかぶせ線出現した。
さらにはダブルトップのパターンになったことで
買いの勢い < 売りの勢い
と売りの勢いが勝ったことで反転下落することになった。
高値圏でのかぶせ線 反転下落事例_エムスリー
2019年に2000円だった株価が5倍もの株価になり10000円の価格が意識された。同時に11月末は連続陽線及び窓開けで急騰しており、短期利益狙いのホルダーが利食い売りに出るケース。連続陽線及び窓開け上昇の勢いがあまって高く寄り付き、短期利益狙いのホルダーの利食い売りと、買い方の様子見で、
買い < 売り
となる。前日の陽線にかぶる形で陰線で引け、かぶせ線が出現している。
その後、窓を開け急落し三空叩き込みとなる。
上昇途中の押しとなったが、かぶせ線の出現によって反転下落した典型的なケース。
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